関節リウマチの原因とは

ひざを抱える人

現在関節リウマチの患者さんは約60万~70万人いると推定されています。
30~50歳くらいの女性に多く、女性の患者さんが男性の3倍ほどいます。

関節リウマチは、自己免疫疾患の1つだと考えられています。
自己免疫疾患と言うのは、ウイルスや細菌などの外敵を攻撃して体を守ってくれている免疫システムが、何らかの誤作動を起こして、自分自身を攻撃してしまうという病気です。

リウマチの場合は、自分自身の関節を攻撃しています。
関節は関節包と言う袋のようなものに包まれています。
関節包の中に滑膜という薄い膜があり、リウマチではこの滑膜が攻撃されて滑膜炎を起こして、滑膜が厚くなったり関節液が溜まったり、関節が腫れて痛んだりします。

そして滑膜炎が進行すると、骨や靭帯まで破壊されてしまいます。
その結果、関節が変形することもあります。
これらが、この病気で多くの患者さんが関節痛や関節の腫れなどで苦しい思いをしている原因です。

30歳から50歳くらいの更年期の女性に多く発症することから、女性ホルモンが何かしら関与しているのではないかと考えられています。
しかし、はっきりとしたことまでは判っていません。

また、親や兄弟姉妹にリウマチの人がいる場合は発症するリスクが高くなります。
しかし、一卵性双生児の場合でも、片方の一人だけが発症して二人とも発症しているわけではないので、遺伝病ではありません。

タバコを吸っている人や歯周病がある人に多いのですが、それがどうしてなのかと言う原因も、はっきりしていません。

ストレスが引き金になることはあるようです。
多くの患者さんが、発症する前に離婚していたり、すごくつらい日々を送っていたり、大きな手術を受けていたりと、大きなストレスがあったようです。

では、自分の滑膜を自分で攻撃してしまう原因は何なのでしょう。
なぜ免疫システムの誤作動や異常が起きてしまうのでしょう。

はっきりとした原因はまだわかっていない?

残念ながら、免疫システムの異常が起きる原因は、まだはっきりとは判っていません。
現在免疫システムに関する研究は日進月歩どころか数秒後でも大きく変化するのではないかと言われるくらいのスピードで進歩しています。
免疫に関する抗体やサイトカインと呼ばれる物質も次々に発見されています。

しかし、なぜその免疫機能の異常が起きるのか、どうして自分自身の体を攻撃してしまうのか、といった真の原因はまだ判っていません。
最初に痛くなった関節は手の指と言う人が52%、手首と言う人が38%なので、手をよく使う人がなりやすいのかと言うと、そうでもありません。

また、寒い時に関節痛が起きやすいと良く言われます。
温泉に入って温めると痛みが楽になったり良くなったりすると言われます。
それならば、寒い地域の方が患者さんが多くて温暖な地域には患者さんが少ないのではないのかと思いますが、これもまたそうとは言えないようです。

このように、免疫システムの異常が起きてしまった原因はまだはっきりとわかっていません。
免疫システムの異常が起きた原因がはっきりとわかれば、関節リウマチだけではなく、それ以外の自己免疫疾患の患者さんにも大きな利益が期待できるのですが、残念なところです。

しかし、真の原因が判っていないからと言って、手をこまねいている訳ではないので、その点は安心して問題ありません。
早期に発見して早期に適切な医療を受ければ、半数以上の人が発症する前と同等の日常生活を送っています。
2016年の調査では、約52%の患者さんは「寛解」と言って特に何も問題がない状態で日常生活を送っています。
2000年は寛解の患者さんはわずか8%なので、15年ほどの間で大きな進歩を見ています。

リウマチは恐ろしい病だ、不治の病だと言われたのは、一昔前の話です。
真の原因は判っていませんが、必要以上に怖れるのは良くありません。
早期に発見して早期に適切な医療を受ければ、日常生活に大きな支障を来すことはないでしょう。

関連記事